La Bomba:REPORT

2000年08月01日

2000 World Salsa Congress in PR レポート

1. 会場

 今回はリニューアルしたてのCaribe Hilton。昨年、一昨年のEl San Juan Hotel と比べたらゴージャスさはかないませんが、明るく、きれいで、とても居心地のよいホテル。Old San Juanや近代的なShopping Center にもタクシーで10分以内という好立地。また、岬の突端に建っているので、全部屋オーシャンビューでプライベートの入り口には、要塞跡があったりして、景色は最高です。そしてKを魅了したレストラン。トロピカルフードメインながらもPRにはめずらしくヘルシー指向のメニューが多々あり、胃もたれすることなく南国のお料理を毎日堪能することが出来ました。
2. プログラム
ワークショップ

 7/26−29の4日間、午前10時から午後3時半まで、1.5時間ずつ3箇所でワークショップが行われました。今回、特筆すべき点は、PRチームのワークショップが多かったこと。地元だからと言えばそれまでですが、今年のワークショップのインストラクターは、NY,LA,と並んでPRが多く、参加者も広い会場がいっぱいになるくらい人気がありました。中でも、Papa Tambor主催のJorge Santana のルンバ等キューバ系のムーヴメント講座は大盛況で、生演奏の効果もあって、会場はライブのような熱気で包まれていました。PRダンサーのワークショップの盛り上がり、これは世界の Salsa loversが今、「ボディームーヴメント」に注目していることの表れだと、M&K探偵団は推測しているのであります。
パフォーマンス

 7/25から5日間、2回に分けてショータイムがありました。今年はなんと1回目のステージは午後4時から。Las Bacabonsも金曜日のこの回になり「なんでやねん?客が来るんかいな。」と思いましたが、これがまたよかった。この時期はPRの祭日が重なったので、4時でも地元の人も来られる。そして会場は最大のワークショップ会場なので、ワークショップが終わったばかりの4時は人であふれている。地元のファミリー+ワークショップ帰りで体育会的盛り上がりのSalsa loversで、会場はまるで NHKのど自慢in PRのような温かい盛り上がり。この回にセットされた初出場チームや、有名チームの2ndナンバーにとても温かい声援を送ってくれました。こんな中で踊らせてもらえるのはとても幸せなこと。お客さんからパワーをいっぱいもらいました。「同じLocaなら(舞台で)踊らにゃ損、損!」
 2回目のステージは9時から、場所も雰囲気もがらっと変わって、ホテルのメインボールルームで、薄明かりの中、ゴージャスなクラシック音楽とともに、世界のサルサクラブシーンや過去のコングレスの名場面を映したプロモーションビデオが流れる(このビデオ、ラストがなぜかマリリン・モンローのアップがばーんと出てくる。この謎を解明できる方、教えてください。)。舞台にはスモークがたかれ、ライトが舞台を照らした途端、ショーが始まる。まるで、豪華なレビューを見ているようです。回を重ねてますます本物思考のエンターテイメントになっていくコングレスです。
演出

 このオープニング以外にも、今年のPRコングレスには粋な演出がありました。特に最終日。この日は4時からの回が、ちびっ子特集。PR、NY、LA、 Venezuelaのローティーン以下の子供達のチームが次々に踊りました。それぞれの技とパワーは本当にすごい。首や腕がすっぽ抜けちゃうんじゃないかと心配になるほどの勢いで踊ります。こうやって続けて見ると、大人のチーム以上にその地域やチームの特徴が見えておもしろい。PRは表情が素朴ながらもムーヴメントはうねってるし、NYは洗練されたテクニックが随所に光る。LAは子供ながらにLatino&Latinaの色気と勢いが出てるし、 Venezuelaはレビューのような華やかさと統制美があるのです。さすがです。
 最終日9時からの回は、司会者がSalsa Brava(L.A.)のLuisとStacey Lopez (PR)のパートナーのLucy Lopez。やんちゃな悪ガキ風Luisのつっこみと、面倒見がよすぎるかわいいおばちゃんLatinaのLucyのボケが絶妙で笑えました。2人ともすばらしいダンサーであり、かつエンターテイナーです。・・・ただ話が長いのなんのって、彼らに加えていろんな人の長いあいさつがあり、予定を2時間近くオーバーしてやっと終わりました。もぅ、マイク離さない人ばかりなんだから。そしてTito Puete追悼。All Tito numberのEddie Tress DancersのショーのラストにLA のJonnyとOliviaが加わって、on 1、on 2、それぞれのスタイルで同時に華やかに踊ったところで、みんなが一斉に舞台後方を指さすと、そこにはティンバレスを演奏するTitoの拡大ポスターが・・・・・(100枚目のアルバム記念ライブCDのカバーの写真)。音はちょうどTitoの最後のライブアルバムのTitoのあいさつ&ソロ。後ろを向いたダンサー達が、ポスターのTitoをあおるように体でリズムを刻む。そこからは会場総立ちでTitoの幻のライブで盛り上がりました。会場が一体となった、感動的な夜でした。(思い出しても感涙にむせぶ・・・これまでのコングレスの名場面中の名場面でした。)
3.M&Kのお気に入りチーム!

 今回、なんとも素敵だったことは、出場チームの多様さ。PR、NY、LA、マイアミ、といった常連チームの他、ベネズエラ、アルゼンチン、イタリア、スペイン、ポルトガル、フランス、イギリス、スイス、カナダetc.とLAでは見られなかったいろいろな国のサルサも堪能しました。そしてまた、そのレベルの高かったこと!技術はのみならず、よりショーアップされた、お客さんを楽しませるための工夫を凝らしたものが増えました。M&Kは中でも地元PR のチームに惚れ込んでしまいましたが、それは別にまとめて述 べる として、それ以外のお気に入りチームを御紹介します。
Mambo Legends(NY& PR)

 絶大なる人気を誇る大御所男性ペア。タキシードに白い手袋がトレードマーク。 Mamboを軽快にお茶目に踊る姿は本当のエンターテイナー。あまりに軽々やるから、真似をしようと思ったら、とても細かく音に当ててるんですよ、これが。足が楽器の一部のようで、ディズニーアニメで楽器が踊ってるようなイメージが浮かびます。
Salsabor & Cache(LA)

 かつてジョシーネグリアのパートナーであったロヘリオ率いるチーム。今回はギャングと踊り子に扮した約10組のペアが華麗に踊りました。古いミュージカル映画のキャバレーシーンのような華やかさと統制美がありました。これだけの人数で技とフォーメーションに凝ったうえに、統制美もある作品を作った彼はやはりすごいダンサーでした。(ジョシーのパートナー時代は、その技術よりもチンピラ風な外見の印象が強かったのです。ごめんなさい。)
Leon & Susana(England)

 このチームは今回のびっくり大賞!割烹着のようなネグリジェ姿&学芸会のような演技でSusanaが出てきたときは、ビデオをOFFにしたKでしたが、とり続けなかった自分に後悔!!眠ろうとするSusanaの背後から黒いマントで長身のLeonが近づき振り向くと彼は吸血鬼!悲鳴をあげる Susana!・・・ここでなんと音響トラブル発生。牙をむけたまま呆然と立ちつくすLeonに会場は爆笑&励ましの拍手。すごすごとマントを再び羽織り、再スタート。おなかが痛くなるほど笑っていたのもつかの間、Leonが襲いかかった後、Susanaも牙をつけ吸血鬼になり、決闘をしてるようなペアダンスが始まりました。その激しさ、スピード感、殴りかかるような振り付けを随所に入れたアイデア。技術力に裏打ちされた演出に感心しました。笑いと演出と技術力。おみそれしました。
Tropical Gem(Italy)

 2ペアの4人だけどペアではほとんど踊らず、しかも男性が前で踊るという珍しいチーム。さすがイタリア、ワイルドなんだけど洗練された衣装がかっこよかった!欧州勢には珍しくキューバ&アフロ系の動きを取り入れていて、しかもバレエやジャズの素養も垣間見える跳躍力や美しいターンで、ワイルドな勢いと洗練された美しさが共存。幕の内弁当のようなバラエティ豊かなパフォーマンスでした。
Latin Jazz Dancers(Venezuela)

 顔が怖い・・・、これが彼らの第一印象。男性5人のチームですが、みんなそろいもそろってチンピラっぽいのです・・・。話せば普通のいい人たちなんだけど。(着物を着たBacabonsと写真を撮って喜んでいた。)そろいのタキシードでタップダンスっぽくその名のとおりLatin Jazz を踊るのですが、これが技術力、スピード感、リズム感の三位一体攻撃です。彼らのステップを見てると音楽がより聞こえてくるというか。大きなピアノを足で演奏してるような足さばきなのです。ここでMは法則を発見したのでした――。「顔の怖さは、踊りの上手さに比例する。――サルセーロの法則」(特に若手)。確かに彼らは並はずれて上手い。その中で1人だけ白人の、ちょっと気の弱そうなメンバーがいるが、チームの中では明らかに彼が新米。そう言えばLAの Franciscoもロヘリオも、NYのJasonもPRのFelipe Polancoも みんな強面・・・。
4. Viva!Pueruto Rican ダンサーズ &Puerto Rican ジモティーズ(地元民)!

 今回のプエルトリコで改めて思ったのは、地元プエルトリコチームの層の厚さです。過去2回のプエルトリコでのコングレスでも地元ということで数多く出演してい ましたが、今年は(一部のNYチームの不参加もあったせいか??)さらに多くのチームが出演していました。特に印象深かったものを紹介します。
Papa Tambor

 キューバンルンバなど土着系の動きをベースにしたムーブメントが素晴しい。このチームはLAのコングレスにも出ていました。リーダーJorge SantanaのパートナーのVivian Santana の、寸分も違わず16分でリズムを刻み続けつつも滑らかな、女性らしい、でもパンチの効いた動きは絶品!です。表情も最高!憧れます。(M&KはVivian 崇拝宣言をします!)
Angel Martinez &International Dancers

 リフティングの技を中心とした華やかな、と思いきや、土着系の迫力ある動きでも魅せる魅せる、(リーダーのAngel Martinezのパートナーがとにかく、体中、ダンサー。全身の筋肉が語りかけているよう、『私は、ダンサー・・・。』)
Ballet Salsa Sur

 エネルギッシュなプエルトリコチームのなかでも特に際立っていました。あんなテンポの速い曲でうねりを表現できるなんて凄い!やってくれた、というかんじでした。これが10代のチームなんてびっくりです。このチームはロベルト・ロエナのライブ版の曲で踊っていました。観客の拍手と歓声で始まり拍手と歓声で終わる・・・。これがライブ版の曲を使う醍醐味だと思うのですが、合間合間にはいるライブならではの音の掛け合い、アドリブを実に上手く使っていました。ショーが終わった時、本当にロベルト・ロエナのライブをダンス付で楽しんだ気持ちになりました。ビデオで見ても毎回手に汗握る・・・凄い・・・の一言に尽きます。
ステージでのダンサーもさることながら、感動したのはその後フロアで踊っていた Puer to Rican ダンサーズ &ジモティーズ!
とにかくリズム、リズム、リズム!

 M& Kが夢見るペアダンスは、ちゃんとリード/フォローしつつも(これが特に私たちには難しいのですが)そこにあるリズムの中で遊んでいるようなサルサなので、とにもかくにもまずリズム、リズム、リズム・・・踊る相手を見つけるまでの間もとにかく体が音に反応して...という、フロアでのプエルトリコのダンサーやジモティーズのみなさんがとても印象的でした。踊りをみて『あ、そんなところにもリズムがあったか』と驚かされる!これってすごいことです。
* おまけインタビュー:(以下筆者作)
Bacabons『なぜ踊るのですか?』
PR ジモティー『Porque no〜?!ハッ、ハッ、ハー!そこにリズムがあるから です ^^』
この程よい『濃さ』とグルーブ感!

 プエルトリコのサルサをみて感じたのは、私が自分の中でなりにNY系とかキューバ系(土着系)と区別しているものがいいかんじにミックスされているということです。こ洒落たステップの合間合間にあるグリグリのムーブメント。双方のいいところがうまく混ぜ合わさって、16分音符の間でうねりまくっている踊りだと思いました。
生バンド大好き!

 そして基本的にみんなライブが大好きなんですね。それでも、かなり踊り狂ってしまっている人でも気持ちの一部はステージで演奏しているバンド用にちゃんととってあるというか、バンドに対する『敬意』みたいなものが感じられました。おなじみの Stacey &Lucyがフロアで華麗に、満面の笑みで踊っているのに周囲が見とれていたら、曲の終わりにいきなり『あんた方が主役!』って感じで2人が同時にバンドに向かって指をさして敬意を表していた姿、感動しました。踊る二人のコミュニケーションにバンドとのコミュニケーションも加わった!というかんじでした。この気持ちは見習いたいですねぇ。
ご参考までに出演バンドを一部お知らせすると:

PuertoRican Power
Tito Nieves(朝食を食べた店でばったり。一応ちゃんとサングラスかけて一般人 に混 じってお店の列にちゃんと並んでた姿がかわいかった。)

El Gran Combo(フロント3人の振りつけがかっこかわいい!私たちの振りでも ちょっ とお借りしています^^)

Andy Montan~ez(コングレスと言えばおなじみ。観客にのせられてか?雰囲気 がゴ ージャスだったせいか?ますますパワー一杯のよいステージでした!)

Roberto Roena(こちらもおなじみの・・・!相変わらずフロアでの踊りもよ かった 。超強面のラテン版ユルブリンナー。)

Jose Alberto "El Canario"(昼間ばったり会って『写真撮らせて下さい〜』と 言った ら、『Descurpame Sen~ola(あ、これは言ってなかったかも)今僕はTシャツ に短 パン姿なので写真は夜、びしっと決めた時にね〜。』と言われてしまった。さ すが ラティーノ!でもその夜は彼のご機嫌なリズムにすっかり乗せられて写真どこ ろで はありませんでした。)
5. ありがとうAngel!:Angel Ortiz & International Mambo dancers

 今回のコングレスではTito Puenteの追悼の意を込めてNYのダンサーAngel Ortiz が自らの提案で40人近くのダンサーを事前に募り、TitoのMambo Birdlandで振りつけし たものをコングレスのステージで踊りました。コングレス期間中2回ほど全体練習時間を設けるということでしたが、事前にNYに滞在していた私たちはAngel の提案で、彼本人から前もって振りつけを教えてもらうという幸運に恵まれました。(しかもお礼はStar Bucksのコーヒーだけ・・・Angel、本当〜〜にいい人!というより、私たち二人の踊りのテクニックがとっても心もとなかったのね、きっと。)振りつけ自体は、Angel が他希望者2、3人といっしょにやろうとしていたソロの部分を除いてはそんなに難しいものではありませんでしたが、普段から振り写しの遅い私はこの『事前練習』がとても 助か りました。
 それにしてもダンサーとしてのAngel Ortizの素晴しさ、インストラクターとしての懇切丁寧さはよく知っていましたが、振りつけ師としてもすごい!後から、これまで私が気に入ったパフォーマンスの振りつけのほとんどが彼のものだったことを知りました。曲のリズムの微妙なところに合わせてどんどん作り替えていく姿には、横で見ていて『ハー』とか『ホー』という言葉しかでませんでした。
 パフォーマンスは夕方の部で小さいほうのステージだったので、40人ものると大変。しかも途中みんなで声を上げながらヴォーグするところもあったり Eddie Torres カンパニーのようにステージの右から左へ列をなして移動したり、最後はルンバもしたりで、観ている人は『ステージが崩壊するのでは?』とちょっとハラハラしたかもしれません。あー、終わった後はとても達成感がありました!!できてしまうものなんですねぇ。あれだけの人数を動かしてたった2回(しかもトータル3時間弱)でまとめ上げてしまうなんて、まったくAngelってすごい人。日本語を勉強していたのは知っていたけれど、BerlitzやGeosでプライベートまで受けていたとは・・・。これにもびっくり!また是非是非来日して欲しいダンサーです。
posted by Macomo at 00:00| コングレスレポート 2000